
WindowsでGo開発?もう「できない」なんて言わせない!
「Go言語、興味あるけどWindowsだから…」そう思って諦めていませんか? かつてはWindowsでの開発環境構築は一筋縄ではいかないイメージがありましたが、時代は変わりました。
特にWindows 11とWSL2(Windows Subsystem for Linux 2)の登場は、WindowsユーザーのGo開発体験を劇的に進化させました。
この記事では、あなたがWindows 11ユーザーであっても、Go言語のモダンな開発環境をスムーズに構築できるよう、具体的なステップを徹底解説します。
公式インストーラーやWingetを使った手軽な導入から、一歩進んでWSL2を活用したLinux環境でのGo開発まで、あなたのGo開発ライフを強力にサポートする知識とテクニックを余すことなくお伝えします。
さあ、Windowsの壁を乗り越え、Go言語のパワフルな世界へ飛び込みましょう!
目次
- 1. Windows 11でのGo開発の選択肢
- 2. 公式インストーラーを使ったGoのインストール
- 3. Wingetを使ったGoのインストール
- 4. WSL2の導入とUbuntu環境のセットアップ
- 4-1. WSL2の有効化
- 4-2. Ubuntuのアップデート
- 5. WSL2上のUbuntuでGoをインストール・設定する
- 5-1. APTパッケージマネージャーを使ったインストール(推奨)
- 5-2. 公式バイナリを使った手動インストール
- 6. WindowsとWSL2間でのGo開発連携
- 7. Goのアップデートとアンインストール
- 7-1. 公式インストーラーの場合
- 7-2. Wingetの場合
- 8. Goが選ばれる理由:主要なユースケース
- まとめ
対象読者
- Go言語に興味があり、Windows 11で開発環境を構築したいと考えている開発者
- WSL2を活用したGo開発環境の構築方法を知りたい方
- Windowsネイティブ環境でのGoインストール方法を知りたい方
動作検証環境
この記事は、以下の環境で検証しています。
- オペレーティングシステム:
エディション Windows 11 Pro バージョン 25H2 - ハードウェア:
プロセッサ AMD Ryzen 7 5825U
実装 RAM 64.0 GB
1. Windows 11でのGo開発の選択肢
Windows 11でGo開発を始めるには、主に以下の2つのアプローチがあります。
- ネイティブWindows環境での開発:
- Windowsに直接Goをインストールし、WindowsアプリケーションとしてGoプログラムを開発する方法です。
- 手軽に始められるのが魅力です。
- WSL2 (Windows Subsystem for Linux 2) を活用したLinux環境での開発:
- Windows上で動作する軽量なLinux環境(Ubuntuなど)にGoをインストールし、LinuxアプリケーションとしてGoプログラムを開発する方法です。
- GoはLinux環境との相性が非常に良く、より本格的な開発やデプロイを視野に入れる場合に推奨されます。
この記事では、両方のアプローチを解説しますが、特にWSL2を活用したモダンな開発環境に焦点を当てて深掘りしていきます。
2. 公式インストーラーを使ったGoのインストール
まずは、最も基本的なWindowsネイティブ環境へのGoインストール方法から見ていきましょう。
Goの公式サイトから提供されているインストーラーを使用します。
- Go公式サイトへアクセス:
- https://go.dev/dl/ にアクセスし、「Windows」セクションにある最新版のMSIインストーラーをダウンロードします。
- インストーラーの実行:
- ダウンロードしたMSIファイルをダブルクリックして実行します。
- インストールウィザードに従う:
- 画面の指示に従ってインストールを進めます。特に変更がなければ、デフォルト設定で問題ありません。Goは通常
C:\Program Files\Goにインストールされ、環境変数PATHも自動的に設定されます。
- 画面の指示に従ってインストールを進めます。特に変更がなければ、デフォルト設定で問題ありません。Goは通常
- インストール確認:
- コマンドプロンプトまたはPowerShellを開き、以下のコマンドを実行してGoが正しくインストールされたか確認します。
go versionGoのバージョン情報が表示されれば成功です。
3. Wingetを使ったGoのインストール
Windows 11では、パッケージマネージャーのWingetを使ってGoをインストールすることも可能です。コマンドラインに慣れている方には、こちらの方が手軽かもしれません。
- Wingetの確認: コマンドプロンプトまたはPowerShellを開き、
wingetと入力してEnterキーを押します。Wingetのヘルプメッセージが表示されれば、インストールされています。もしインストールされていない場合は、Microsoft Storeから「アプリインストーラー」をインストールしてください。 - Goの検索: 以下のコマンドでGoパッケージを検索します。
winget search Go- Goのインストール: 検索結果から適切なGoパッケージ(通常は
GoLang.GoのようなID)を見つけ、以下のコマンドでインストールします。
winget install GoLang.Goインストール中に確認を求められる場合がありますので、指示に従ってください。
補足: Wingetを使ったGoのインストールは、Microsoft Learnの公式ドキュメント「WinGet を使用してアプリケーションをインストールおよび管理する」で一般的な利用方法が紹介されています。Go言語の公式ドキュメントではWingetによるインストールは直接言及されていませんが、Windows環境における一般的なインストール方法として広く利用されています。
- インストール確認: 公式インストーラーの場合と同様に、
go versionコマンドでインストールを確認します。
4. WSL2の導入とUbuntu環境のセットアップ
ここからが本番です。WSL2を導入し、その上にUbuntu環境をセットアップして、Go開発の真価を発揮できるモダンな環境を構築しましょう。
4-1. WSL2の有効化
- PowerShellを管理者として実行: スタートメニューを右クリックし、「Windows PowerShell (管理者)」または「ターミナル (管理者)」を選択します。
- WSL2のインストール: 以下のコマンドを実行します。
wsl --installこのコマンドは、WSL2の有効化、Linuxディストリビューション(デフォルトはUbuntu)のインストール、およびWSLカーネルの更新を自動的に行います。
- 再起動: インストールが完了したら、PCを再起動します。
- Ubuntuの初期設定: 再起動後、Ubuntuが自動的に起動し、ユーザー名とパスワードの設定を求められます。画面の指示に従って設定してください。
WSL2のインストールについては、以下の記事で詳細に解説していますので、是非ご覧ください。
4-2. Ubuntuのアップデート
WSL2上のUbuntu環境が整ったら、まずはパッケージリストを更新し、既存のパッケージをアップグレードしておきましょう。
sudo apt update
sudo apt upgrade -y5. WSL2上のUbuntuでGoをインストール・設定する
WSL2上のUbuntu環境にGoをインストールする方法は、通常のLinux環境へのインストールとほぼ同じです。ここでは、apt パッケージマネージャーを使った方法と、公式バイナリを使った手動インストール方法を紹介します。
5-1. APTパッケージマネージャーを使ったインストール(推奨)
最も手軽で推奨される方法です。
- Goのインストール: Ubuntuのターミナルで以下のコマンドを実行します。
sudo apt install golang-go -y- インストール確認:
go versionGoのバージョン情報が表示されれば成功です。
5-2. 公式バイナリを使った手動インストール
最新版のGoを使いたい場合や、特定のバージョンをインストールしたい場合に選択します。
- 既存のGoの削除(もしあれば): 以前にGoをインストールしている場合は、まず削除します。
sudo rm -rf /usr/local/go- Goバイナリのダウンロード: Go公式サイトのダウンロードページから、Linux向けの最新版tarball(例:
go1.x.x.linux-amd64.tar.gz)のURLをコピーします。 - ダウンロードと展開: Ubuntuのターミナルで、
wgetを使ってダウンロードし、/usr/localに展開します。
wget -c https://go.dev/dl/go1.x.x.linux-amd64.tar.gz -O - | sudo tar -xz -C /usr/localgo1.x.x.linux-amd64.tar.gz の部分は、ダウンロードしたファイル名に合わせてください。
- 環境変数の設定:
~/.profileまたは~/.bashrc、~/.zshrcなど、お使いのシェル設定ファイルに以下の行を追加します。
export PATH=$PATH:/usr/local/go/bin変更を適用するために、シェルを再起動するか、以下のコマンドを実行します。
source ~/.profile # または ~/.bashrc, ~/.zshrc- インストール確認:
go versionGoのバージョン情報が表示されれば成功です。
6. WindowsとWSL2間でのGo開発連携
WSL2環境でGoをインストールしたら、Windows側のVS Codeなどからシームレスに開発を行うことができます。
- VS Codeのインストール: まだインストールしていない場合は、WindowsにVS Codeをインストールします。
- Remote – WSL拡張機能のインストール: VS Codeを開き、拡張機能ビューで「Remote – WSL」を検索してインストールします。
- WSL2環境でVS Codeを開く: Ubuntuのターミナルで、開発したいプロジェクトのディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します。
code .これにより、WSL2環境のファイルシステムを直接操作できるVS Codeウィンドウが開きます。VS Codeは自動的にGoの拡張機能のインストールを推奨してくれるはずです。
- Go拡張機能のインストール: 推奨に従い、Go拡張機能をインストールします。これにより、コード補完、デバッグ、Linterなどの機能が利用可能になります。
これで、Windows 11上でWSL2を活用したモダンなGo開発環境が整いました。Windowsの快適なUIとLinuxの強力な開発環境を両立させ、効率的なGo開発を楽しみましょう!
7. Goのアップデートとアンインストール
7-1. 公式インストーラーの場合
- アップデート:
WindowsでGoをアップデートする最も簡単な方法は、古いバージョンをアンインストールしてから新しいバージョンをインストールします。 - アンインストール:
Windowsの「アプリと機能」またはコントロールパネルの「プログラムと機能」から「Go Programming Language」を選択してアンインストールします。- Windowsの設定で「アプリと機能」またはコントロールパネルで「プログラムと機能」に移動します。
- リストから「Go Programming Language」を見つけます。
- 「アンインストール」をクリックし、指示に従います。
7-2. Wingetの場合
- アップデート:
特定のGoパッケージをアップデートするには、以下のコマンドを使用します。
winget upgrade GoLang.Goインストールされているすべてのパッケージをアップデートするには、以下のコマンドを使用します。
winget upgrade --all- アンインストール:
Goをアンインストールするには、以下のコマンドを使用します。
winget uninstall --id GoLang.Go8. Goが選ばれる理由:主要なユースケース
Go言語は、その設計思想と機能特性から、現代のソフトウェア開発における様々な分野で強力な選択肢となっています。特にWindows/WSL2環境での開発においても、その恩恵を最大限に享受できます。
- クラウド&ネットワークサービス:
- 主要なクラウドプロバイダー(AWS, GCP, Azureなど)のツールやAPIとの強力なエコシステムにより、Goを使ったサービス構築がこれまで以上に容易になっています。WSL2上で開発したGoアプリケーションを、そのままクラウド環境にデプロイするワークフローは非常にスムーズです。
- CLI (コマンドラインインターフェース) ツール:
- Goは、高速な起動と単一バイナリ生成という特性から、強力なCLIツールの開発に最適です。WSL2のLinux環境で日常的に利用するようなツールを、Goで効率的に開発・配布できます。
- Web開発:
- 優れたメモリ性能と複数のIDEサポートにより、Goは高速でスケーラブルなWebアプリケーションを支えます。Windowsの快適なUIとWSL2のLinux環境、そしてVS CodeなどのIDEを組み合わせることで、効率的なWeb開発が可能です。
- 開発運用 (DevOps) & サイト信頼性エンジニアリング (SRE):
- 高速なビルド時間、簡潔な構文、自動フォーマッター、ドキュメントジェネレーターなど、GoはDevOpsとSREの両方をサポートするように設計されています。WSL2上でこれらのツールを開発・運用することで、開発プロセス全体の効率化に貢献します。
まとめ
この記事では、Windows 11でGo開発を始めるための様々な方法を解説しました。
ネイティブ環境での手軽なインストールから、WSL2を活用した本格的なLinuxベースの開発環境構築まで、あなたのニーズに合わせたアプローチが見つかったことでしょう。
特にWSL2は、WindowsユーザーにとってGo開発の可能性を大きく広げる強力なツールです。この環境を最大限に活用し、Go言語での開発を存分に楽しんでください。
次のステップとして、構築した環境で実際にGoプログラムを書いてみたり、Goの公式チュートリアルを進めてみることをお勧めします。また、Goのバージョン管理ツール goenv の導入や、IDEのより詳細な設定については、別の記事で詳しく解説する予定です。
免責事項
この記事は、特定の環境下での動作を保証するものではありません。
記事の内容は執筆時点での情報に基づいており、Go言語や関連ツールのアップデートにより、手順や設定が変更される可能性があります。
環境構築やプログラムの実行は、ご自身の責任において行ってください。
万一、この記事の内容によって何らかの損害が生じた場合でも、筆者および公開者は一切の責任を負いかねます。





