【Zed完全入門】VS Codeユーザー必見!爆速エディタZedの紹介とインストール

はじめに

開発中にエディタの起動が遅い、ファイルを開くのに時間がかかる、重いプロジェクトだと動作がもっさりする……。そんな経験はありませんか? 多くの開発者が愛用するVS Codeは素晴らしいエディタですが、Electronベースであるがゆえに、大規模なプロジェクトやリソースが限られた環境では、そのパフォーマンスに不満を感じることもあるでしょう。

「もっとサクサク動くエディタはないのか?」

そんなあなたの悩みを解決するのが、今回ご紹介する「Zed」エディタです。Rustでゼロから再構築されたこの新世代エディタは、驚異的な速度と直感的な操作性で、あなたの開発体験を劇的に変える可能性を秘めています。

本記事を読めば、Zedのコンセプトと魅力、そしてあなたのPC(Mac, Linux, Windows)にインストールする方法がわかります。さあ、思考のスピードでコードを書く体験を始めましょう!


対象読者

  • VS Codeのパフォーマンスに不満を感じている開発者
  • 新しい、高速な開発環境を求めている方
  • Zedエディタに興味はあるけれど、どこから手をつけていいか分からない初心者
  • 実務経験1〜5年目のソフトウェア開発者

目次


Zedエディタとは?

Atom開発者が生んだ「思考のスピードで書ける」エディタ

Zedは、かつてGitHubが開発し、多くのファンを魅了したエディタ「Atom」の開発チームが、その経験と知見を活かしてゼロから再構築した新しいエディタです。彼らが目指したのは、「思考のスピードで書ける」エディタ。つまり、エディタの動作が思考の妨げにならない、究極の高速開発環境です。

この目標を達成するために、Zedはモダンなシステムプログラミング言語であるRustで開発されています。Rustは、安全性とパフォーマンスを両立させることで知られており、これによりZedはElectronベースのエディタでは実現が難しかったネイティブアプリケーションレベルの高速動作を実現しています。

[著者の経験談]
私が初めてZedを起動した時、その起動速度とファイルを開く瞬時のレスポンスに本当に驚きました。特に大規模なリポジトリを開いた時のVS Codeとの差は歴然で、「これこそが求めていたエディタだ!」と直感しました。

なぜ今、Zedが注目されるのか?VS Codeとの違い

Zedがこれほどまでに注目される理由は、その圧倒的なパフォーマンスと、開発者が本当に必要とする機能に焦点を当てている点にあります。既存の主流エディタであるVS Codeと比較しながら、その違いを見ていきましょう。

VS CodeとZedの比較

Zedは、VS Codeが持つ豊富な拡張機能エコシステムとは対照的に、コア機能の高速化と洗練に注力しています。特にリアルタイムでの共同編集機能は、ペアプログラミングやモブプログラミングを頻繁に行うチームにとって非常に強力な武器となります。

[!NOTE]
Zedはまだ開発途上のエディタであり、VS Codeのようにあらゆる言語やフレームワークに対応する豊富な拡張機能があるわけではありません。しかし、その高速性と将来性、そしてチーム開発における強力なコラボレーション機能は、多くの開発者にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

Zedをインストールしよう!

それでは、実際にZedをあなたのPCにインストールしてみましょう。OSごとにインストール方法が異なりますので、ご自身の環境に合わせて進めてください。


macOSの場合(Homebrew推奨)

macOSユーザーであれば、パッケージマネージャーのHomebrewを使うのが最も簡単でおすすめです。

  1. Homebrewがインストールされているか確認
    ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。
brew -v
  1. Zedをインストール
    Homebrewがインストールされていれば、以下のコマンドでZedをインストールできます。
brew install --cask zed

インストールが完了したら、アプリケーションフォルダからZedを起動できます。

もしHomebrewがインストールされていない場合は、こちらの記事でインストール方法を詳細に解説していますので是非ご覧ください。


Linuxの場合

Linux環境では、公式のインストールスクリプトを使用するのが一般的です。

方法1. 公式インストールスクリプト(推奨)

  1. 安定版のインストール
    ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。
curl -f https://zed.dev/install.sh | sh

このコマンドは、Zedの最新安定版をダウンロードし、システムにインストールします。

  1. プレビュー版のインストール
    安定版より先行して更新を受け取るプレビュー版をインストールする場合は、以下のコマンドを使用します。
curl -f https://zed.dev/install.sh | ZED_CHANNEL=preview sh
  1. Zedの起動
    インストールが完了したら、ターミナルで zed と入力するか、アプリケーションランチャーから起動できます。

方法2. サードパーティパッケージマネージャー

一部のLinuxディストリビューションでは、サードパーティのパッケージマネージャーを通じてZedをインストールできます。パッケージ名は zed-editor となっている場合もあります。

  • Flathub: dev.zed.Zed
  • Arch: zed (公式リポジトリ), zed-git, zed-preview, zed-preview-bin (AUR)
  • Alpine: zed
  • Nix: zed-editor
  • Fedora/Ultramarine (Terra): zed, zed-preview, zed-nightly
  • Solus: zed
  • Parabola: zed
  • Manjaro: zed
  • ALT Linux (Sisyphus): zed
  • AOSC OS: zed

注意: サードパーティパッケージは、公式版と比べて更新が遅れたり、バイナリ名が異なる(例: zedit, zeditor)場合があります。

方法3. ソースからのビルド

特定のアーキテクチャ(32-bit、RISC-Vなど)や、Redhat Enterprise Linux 8.x/9.x、Rocky Linux 8/9.3、AlmaLinux 8、Amazon Linux 2/2023 (aarch64) など、公式スクリプトが対応していない環境では、ソースからビルドする必要があります。詳細は公式ドキュメントを参照してください。


Windowsの場合

Zedは現在、Windows向けに公式リリースされており、macOSやLinux版と同等の高速な開発体験を提供します。以下のいずれかの方法でインストールできます。

  1. 公式インストーラーの利用
    Zedの公式ウェブサイトにアクセスし、Windows版インストーラーをダウンロードして実行します。
  2. winget (Windows Package Manager) の利用
    PowerShellまたはコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行します。
winget install Zed.Zed

インストールが完了したら、スタートメニューからZedを起動できます。

[!NOTE]
Windows版Zedは、DirectX 11によるネイティブレンダリングとDirectWriteによるテキストシェーピング、Windows Subsystem for Linux (WSL) とSSHリモート処理の深い統合、WebAssemblyを利用した拡張機能の互換性、そしてAIおよびAgent Client Protocol (ACP) 機能を提供しています。
[!NOTE]
ZedはDX11互換のGPUを必要とします。Zedが起動しない場合、GPUが最小要件を満たしていない可能性があります。

最初の起動と画面構成の確認

Zedを初めて起動すると、シンプルなウェルカム画面が表示されます。ここから、新しいプロジェクトを開いたり、既存のファイルを開いたり、設定にアクセスしたりできます。


ウェルカム画面

zedのウェルカム画面

ウェルカム画面では、主に以下の操作が可能です。

  • Theme: UIのテーマを設定できます。
  • Base Keymap: VS Code, JetBrains, Cursor等好みのキーマップを選択できます。
  • Import Settings: VS Code, Cursorから設定をインポートできます。
  • Vim Mode: Vimモードを選択できます。

主要なUI要素(エディタ、サイドバー、ステータスバー)

ZedのUIは非常にシンプルで直感的です。主要な要素は以下の通りです。

zedの主な構成要素
  • エディタペイン: コードを記述するメインの領域です。複数のファイルをタブで開いたり、画面を分割して表示したりできます。
  • サイドバー: ファイルツリー、検索、Git操作など、開発に必要な補助的な機能が集約されています。必要に応じて表示/非表示を切り替えられます。
  • ステータスバー: 現在開いているファイルの情報(行数、列数、言語モードなど)や、Gitのブランチ情報などが表示されます。

これらのUI要素は、キーボードショートカットやコマンドパレットを使って素早く操作できるように設計されています。


関連記事


FAQ

Q1: ZedはVS Codeの代替になりますか?

A1: 現時点では、完全に代替できるとは言い切れません。Zedは非常に高速でコラボレーション機能に優れていますが、VS Codeが持つ膨大な拡張機能エコシステムにはまだ及びません。しかし、コアな開発作業においては十分な機能を提供しており、特にパフォーマンスを重視する方や、チームでの共同作業が多い方には強力な選択肢となります。

Q2: 拡張機能は少ないですが、実用上問題ありませんか?

A2: Zedの拡張機能エコシステムは成長しており、現在では数百ものコミュニティ作成の拡張機能が利用可能です。これには、様々なプログラミング言語のサポート、テーマ、機能強化、AI統合などが含まれます。Zedはコア機能の高速化と洗練に注力しており、主要な言語のシンタックスハイライトやLSP(Language Server Protocol)による補完機能などは標準でサポートされています。ただし、ZedはRustで構築されているため、JavaScriptベースのプラグインはパフォーマンス維持のためにサポートされない可能性があり、コミュニティからはより堅牢なプラグインシステムを求める声も上がっています。

Q3: Windows版はいつ公式リリースされますか?

A3: ZedのWindows版はすでに公式リリースされており、macOSやLinux版と同等の機能とパフォーマンスを提供しています。公式ウェブサイトからインストーラーをダウンロードするか、wingetなどのパッケージマネージャーを利用してインストールできます。


まとめ

本記事では、新世代の爆速エディタ「Zed」の魅力と、Mac、Linux、そしてWindows環境でのインストール方法、さらには基本的な画面構成について解説しました。

Zedは、その圧倒的なパフォーマンスと洗練されたUIで、あなたの開発体験を新たなレベルへと引き上げる可能性を秘めています。特にVS Codeの動作速度に不満を感じていた方にとっては、まさに「思考のスピードで書ける」理想のエディタとなるでしょう。

はじめの一歩

まずはZedをインストールして、その爆速体験をしてみてください。そして、簡単なファイルを開いたり、コードを書いてみたりして、その軽快な動作を実感してください。

この記事が役に立ったら、ぜひチームに共有したり、X(旧Twitter)で感想をポストしてください!


システム要件

Zedエディタを快適に利用するためのシステム要件は以下の通りです。

macOS

カテゴリ要件
対応OSmacOS 13.x (Ventura) 以降を推奨。macOS 12.x (Monterey) もサポートされていますが、macOS 11.x (Big Sur) および 10.15.x (Catalina) は一部機能(Zed Collaborationの画面共有など)が制限されます。
プロセッサIntel (x86_64) または Apple Silicon (aarch64)
対応機種MacBook Pro (Early 2015以降), MacBook Air (Early 2015以降), MacBook (Early 2016以降), Mac Mini (Late 2014以降), Mac Pro (Late 2013以降), iMac (Late 2015以降), iMac Pro (全モデル), Mac Studio (全モデル)

Linux

カテゴリ要件
プロセッサ64bit Intel/AMD (x86_64) または 64bit ARM (aarch64)
GPUVulkan 1.3ドライバーをサポートするGPUが必要です。
glibc (x86_64)glibc version >= 2.31 (Ubuntu 20以降)
glibc (aarch64)glibc version >= 2.35 (Ubuntu 22以降)
デスクトップポータルorg.freedesktop.portal.FileChooser, org.freedesktop.portal.OpenURI, org.freedesktop.portal.Secret または org.freedesktop.Secrets が必要です。
inotifyファイルシステム監視のため、fs.inotify.max_user_instances (128以上) および fs.inotify.max_user_watches (8000以上) の設定が必要です。
オーディオALSAを使用します。PipeWire/PulseAudio環境では、適切なALSAプラグインと設定が必要です。

Windows

カテゴリ要件
対応OSWindows 11 (全リリース) または Windows 10 (64-bit)
プロセッサIntel または AMD 64-bit (x86_64)
グラフィックスDirectX 11をサポートするGPU (2012年以降のほとんどのPCに搭載)
ドライバー最新のNVIDIA/AMD/Intelグラフィックスドライバーが必要です(Microsoft Basic Display Adapterは非推奨)

免責事項

本記事は、Zedエディタに関する情報提供を目的としています。記事の内容は執筆時点での情報に基づいており、Zedエディタの今後のアップデートや変更により、内容が古くなる可能性があります。情報の利用は読者自身の判断と責任において行ってください。本記事の情報に基づいて発生したいかなる損害についても、著者は一切の責任を負いません。


SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*