【初心者向け】手堅く Linux クライアント環境を構築! Windows11 + VirtualBox 7.0.14 + Ubuntu Desktop 22.04 の組合せはお手軽で最強

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Ubuntuは、最も人気のあるLinuxディストリビューションの一つです。その使いやすさと強力なパフォーマンスにより、初心者からエキスパートまで幅広く利用されています。

今回はLTSバージョンのUbuntu 22.04をVirtualBox 7.0.14にインストールする手順Ubuntuで利用出来るソフトウェアやインストール後の初期設定について説明します。

手元にはWindow11 Homeのみ。。。という場合でもご安心下さい!
Window11 HomeとProで利用出来るVirtualBoxを利用して仮想マシンを使いましょう!
VirtualBoxは、Oracleが提供する「無料」のオープンソースの仮想化ソフトウェアで、そのインストール手順も紹介します。

VirtualBoxを使用すると、Windows 11の中に別のオペレーティングシステム(以下OS)をインストールして実行できます。
同じWindows11環境で利用出来る仮想化ソフトウェアとしてHyper-Vもありますが、こちらはWindows11 Proが必要になりますので、環境や制約に応じて使い分けてください。


今回検証した環境

  • オペレーティングシステム:
    エディション Windows 11 Home バージョン 23H2
  • ハードウェア:
    プロセッサ AMD Ryzen 5 5600 6-Core Processor 3.50 GHz
    実装 RAM 16.0 GB

本記事は、筆者が独自の環境で検証した内容を元に記事を作成しており、全ての環境での動作を保証するものではありませんのでご了承ください。


目次


VirtualBoxを使う目的

VirtualBoxの便利な機能を活用すれば、さまざまな目的に活用できます。

具体的なケースは以下のものがあります。

ケース1:異なるOSの実行

VirtualBoxの最大の特徴は、様々なOSを試せる点にあります。

LinuxやWindows、MacOSなど、異なるOSを同時に動作させることが可能です。これにより、特定のOSでしか動かないソフトウェアを試したり、OS間の互換性をテストしたりすることができます。

ケース2:開発・テスト環境の構築

VirtualBoxは、開発者やテスターにとっても強力なツールです。

異なる環境でのアプリケーションの動作を確認したり、新しいソフトウェアやアップデートを安全に試したりすることができます。また、仮想マシンは独立した環境なので、VirtualBoxが動作しているWindows11に影響を与えることなく様々な設定や変更を試すことができます。

ケース3:教育・研修のツール

VirtualBoxは教育や研修の現場でも活用されています。

学生や新入社員が実際の環境を壊すことなく、安全にITスキルを学んだり、新しいソフトウェアを試したりすることが可能です。また、VirtualBoxのスナップショット機能を利用すれば、ある状態を保存して後からその状態に戻すことも可能です。

ケース4:軽量化・コスト削減

物理的なマシンを複数用意するよりも、VirtualBoxを用いて仮想環境を構築する方が、リソースやコストを大幅に削減できます。また、VirtualBoxはオープンソースの無料ソフトウェアなので、ライセンス費用を気にすることなく利用できます。


VirtualBoxの動作要件

VirtualBoxを適切に動作させるためには、特定のシステム要件を満たす必要があります。

ハードウェア要件

VirtualBoxがサポートするハードウェア要件には以下のものがあります:

  • プロセッサ:VirtualBoxはx86およびAMD64/Intel64 CPUをサポートしています。また、VirtualBoxの64ビットゲストOSを実行するためには、ハードウェア仮想化をサポートしたCPUが必要です。
  • メモリ:ゲストオペレーティングシステムを適切に実行するためには、十分なRAMが必要です。一般的に、ゲストOSを快適に動作させるためには、一般的に4GB以上がが推奨されます。
  • ストレージ:仮想マシンは、ホストマシンのハードドライブ上に仮想ディスクとして保存されます。したがって、ホストマシンには十分なストレージ容量が必要です。
「筆者の一言」
通常Window11 Homeの場合は8GBのメモリを搭載していることが多いですが、仮想マシンをPCで実行する場合は、メモリに余裕がある方が仮想マシン上のOSを快適に利用出来ます。操作している時のレスポンスに大きく影響します。(つまり、操作に時間がかかると言うことです)
お財布に余裕があるのであればメモリを16GBに増設する事を強くお薦めします!CPUを変更するのは難易度が高いですが、メモリは比較的簡単に増設できるので費用対効果が高いです。(あと、Windows本体も快適になります)

ソフトウェア要件

VirtualBoxは、さまざまなホストOSをサポートしています:

  • Windows (Windows 7以上)
  • macOS (MacOS 10.13 High Sierra以上)
  • Linux (多くのディストリビューション)
  • Solaris and OpenSolaris
  • FreeBSD
「筆者の一言」
サポートするWindowsのバージョンについて公式ページではWindows11は21H2となっていますが、今回上記の環境でインストールすることが出来ました。
なお、21H2を使う場合は2023年10月10日でMicrosoftのサポート期限が切れていますので、セキュリティに注意しましょう。詳細は、以下のリンクをご覧下さい。
  VirtualBoxのホストOSサポート情報
  Windows11 21H2 EOS情報
また、macOSもホストOSに入っていますが、Intel製のCPUを搭載したMacのみがサポートされています。筆者もApple Silicon(M1〜M3)を搭載したMacでVirtualBoxのインストールを試行錯誤しましたが結局上手く導入できませんでした。Apple Silicon版はβ版なのでこちらも実用的ではありませんのでご注意ください。

ネットワーク設定

VirtualBoxは、ゲストとホスト間でのネットワーク設定をサポートしています。これにより、ゲストとホストの間でネットワーク通信を設定したり、ゲストOSからインターネットに接続したりすることが可能です。


VirtualBoxのインストール手順

1. VirtualBoxのダウンロード

まず、Oracleの公式ウェブサイトにアクセスし、「ダウンロード」ボタンをクリックします。

次に、「Windows hosts」のリンクをクリックしてダウンロードします。

執筆時点でのバージョンは、7.0.14で、2024年1月16日にリリースされています。

VirtualBoxの最新の変更履歴は、以下のリンクをご覧下さい。

VirtualBoxChangeLog

2. インストーラーの実行

ダウンロードが完了したら、インストーラーを開き、「次へ」をクリックして進みます。

必要に応じてインストール場所を変更します。

ネットワーク機能のインストールに関する警告がでます。VirtualBoxをインストールすると、ネットワーク接続がリセットされ、一時的にネットワークから切断されます

すべての設定が正しければ、「インストール」をクリックします。

3. インストールの完了

インストール中です。

インストールが完了したら、「完了」をクリックして終了します。

以上で、Windows 11にVirtualBoxのインストールが完了します。


Ubuntuを使うメリット

まずはUbuntuを使う主なメリットを紹介します。

無料で使用可能

Ubuntuは無料で利用できるため、新しいOSを試す際の経済的なハードルが低いです。商用ソフトウェアを購入せずとも、フル機能のOSを体験することができます。

セキュリティが高い

UbuntuはLinuxベースのOSであり、そのセキュリティは非常に高いです。ウイルスやマルウェアからシステムを守るための機能が充実しており、安全にパソコンを使いたいユーザーにとって魅力的なOSです。

サポートが充実

Ubuntuは50以上の言語に完全に翻訳されて世界中で使われているため、オンライン上には多くの情報が存在します。公式のドキュメンテーションはもちろん、掲示板やブログ、チュートリアルなど、Ubuntuに関する情報は豊富です。困ったときにはサポートを得やすいという点も、Ubuntuを使う目的の一つと言えます。

カスタマイズが容易

Ubuntuは使い勝手を向上させるユーザインタフェースのカスタマイズ機能も充実していますので自分好みにカスタマイズして、オリジナルの環境を作り上げることもできます。

「筆者の一言」
Ubuntuは、VPS(仮想専用サーバー)やクラウドのOSとしても採用が増えてきています。
また、初心者が入門として利用するには、日本語での事例やサンプルも多いので、導入後のハードルを下げる意味でもメリットは大きいです。周囲に聞く人が多いのは、初心者にとっては安心感がありますよね!

パソコンライフを向上しよう

Ubuntuは無料でありながら、充実したソフトウェア、サーバサイドの開発環境を使うことが出来ます。

充実したソフトウェア

Ubuntuでは、様々なオープンソースのソフトウェアが導入できるため、これまでWindows PCで行っていた多くの作業を移行することできます。そのため、Windowsからの移行や古いPCの活用をを検討している方にとって、非常に有用な選択肢となります。

以下に、初期導入および導入できる主なソフトウェアを紹介します。

  • Webブラウザ:Firefox、Chromium、Chrome
  • Eメール:Thunderbird
  • イラスト、動画:Gimp、Krita
  • 動画、音楽:VLC、Spotify
  • オフィス:LibreOffice
  • コミュニケーション:Slack、Telegram
  • 開発ツール:Visual Studio Code、PyCharm、IDEA Community、Eclipse

また、ソフトウェアのインストールも、SnapStoreという仕組みで簡単に実行できるので、難しい手順が不要なことも魅力的です。

サーバサイドの開発環境

Ubuntuはその性質上、サーバサイドの開発環境も充実しています。このため、多くの開発者がUbuntuを選択しています。

DockerやKubernetesなどの最新の開発ツールもUbuntu上で簡単に導入できます。


Ubuntuの動作要件

Ubuntuの動作には最低限のシステム要件が必要です。これらの要件を満たしていれば、Ubuntu 22.04をスムーズに動作させることが可能です。

推奨システム要件:

  • 2 GHzのデュアルコアプロセッサー以上
  • 4 GBのシステムメモリ
  • 25 GBの空きハードドライブスペース
  • 1024×768解像度以上のディスプレイ
  • インターネットアクセス

今回は、VirtualBoxにUbuntuインストールするので、事前にWindowsPC等にVirtualBoxをインストールする必要があります。


ISOイメージのダウンロード

まず最初に、Ubuntuの公式サイトにアクセスし、Ubuntu 22.04のISOイメージを公式ウェブサイトからダウンロードします。

今回は、Desktop imageを利用しますので、「Download 22.04.4」のリンクをクリックし、ISOイメージをダウンロードします。ダウンロード時間は、環境にもよりますが5~10分程度かかります。

注記:今回はVirtualBoxなのでインストールメディアの作成は行いません。


参考:VirtualBox以外のPC等にインストールする場合は、ダウンロードしたISOファイルを元に、起動可能なUSBメモリまたはDVDを作成します。これには、RufusやEtcherなどのツールが役立ちます。


仮想マシンの作成

次に、Ubuntuをインストールするための仮想マシンの作成と設定を行います。以下に、その手順を説明します。

1. 仮想マシンの作成

VirtualBoxを開き、「新規」ボタンをクリックします。

仮想マシンの名前、作成先フォルダー、ゲストOSのISOイメージを設定します。今回はメモリ、プロセッサ数などを手動で設定するので、「自動インストールをスキップ」のチェックボックスをONに設定します。そして、「次へ」をクリックします。

2. メモリサイズ、プロセッサ数の設定

次に、仮想マシンに割り当てるメモリサイズとプロセッサ数を設定します。設定が終わったら、「次へ」をクリックします。

3. 仮想ハードディスクの作成

最後に、ハードディスクのサイズを設定し、「次へ」をクリックします。

4. 設定の最終確認

最後にすべての設定を確認したら、「完了」をクリックします。

5. 仮想マシンの作成完了

以上で、仮想マシンの作成と設定が完了します。

以上で、仮想マシンの作成とゲストOSのインストールが完了しました。


Ubuntuのインストール

作成した仮想マシンを選択し、「起動」をクリックします。

仮想マシンが起動すると自動的にISOイメージからUbuntuのインストーラが起動し、言語の選択とメニューが表示されます。

まずは、画面左の言語リストから、「日本語」を選択します。選択するとインストーラが日本語に変わります。

次に、「Ubuntuをインストール」ボタンをクリックします。

キーボードレイアウトを選択します。自分の環境に合わせて選択してください。選択する際には、「キーボードレイアウトを検出」ボタンの上にあるテキストボックスに文字を入力して正しいレイアウトであることを確認出来ます。

デフォルトで「通常のインストール」と「Ubuntuのインストール中にアップデートをダウンロードする」がオンになっています。今回は、変更せずに「続ける」ボタンをクリックします。

次にインストールの種類として、インストール先のパーティションを選択します。ここでは、デフォルトの「ディスクを削除してUbuntuをインストール」がオンになっています。

今回は、新規の仮想マシンにインストールするので変更せずに「インストール」ボタンをクリックします。

「インストール」ボタンをクリック後、ディスクに変更を加える確認メッセージが表示されます。

ここでは、「続ける」をクリックします。

次に、タイムゾーンの設定を行います。デフォルトで「Tokyo」が選択されています。

変更せずに、「続ける」ボタンをクリックします。

次に、ユーザー情報の設定を行います。名前、コンピュータ名、ユーザー名、パスワードを入力してください。

ログイン方法は、「ログイン時にパスワードを要求する」がデフォルトになっています。ここは変更しません。

「続ける」ボタンをクリックします。

インストールが始まります。仮想マシンのスペックにもよりますが、約10分程度かかります。

インストールが完了すると、メッセージが表示されます。「今すぐ再起動する」ボタンをクリックして再起動してください。

インストールメディアを抜いてエンターを押してくださいのメッセージが出ます。VirtualBoxの場合は、特に操作は必要ありませんので、そのままエンターキーを押して再起動してください。


インストール後の初期設定

再起動後、初めてUbuntuを起動すると、いくつかのシステム設定を行う必要があります。

Ubuntuが起動すると、先ほど作成したユーザのアカウントが表示されます。ユーザをマウスでクリックします。

パスワードの入力が求められるので、設定したパスワードを入力してエンターキーを押してください。

ログインすると、初期設定が起動します。

最初にオンラインアカウントの設定がでます。ここでは、特にオンラインアカウントの連携は行わないので、「スキップ」をクリックします。

次に、Ubuntu Proへのアップグレードが案内されます。今回は「Skip for now」を選択し、「次へ」をクリックします。

Ubuntuの改善の為に情報の提供をするか選択します。ここはどちらか任意の項目を選択して、「次へ」をクリックします。

位置情報サービスの設定です。ここでは、オフを選択して「次へ」をクリックします。

以上で、初期設定は完了です。「完了」をクリックして、初期設定を終わらせてください。

また、必要に応じて追加のソフトウェアをインストールすることもできます。Ubuntuのソフトウェアセンターから、さまざまなアプリケーションを簡単にインストールできます。


インストール後の追加設定

設定①:ソフトウェアのダウンロード元

ソフトウェアのアップデート設定(ソフトウェアのダウンロード元)を変更します。画面左下の、「アプリケーションを表示する」をクリックして、アプリケーションのリストを表示してください。

アプリケーションの一覧の中から、「ソフトウェアとアップデート」をクリックします。

「Ubuntuのソフトウェア」タブを開き、ダウンロード元が「日本のサーバー」になっていることを確認してください。もし、違う場合は、変更してください。

ソフトウェアのダウンロードなどは、地域的に近くのサーバーの方がネットワーク効率も良いので、この設定をお勧めします。

変更したら、「閉じる」をクリックしてください。

しばらくすると、「ソフトウェアの更新」のダイアログが表示されます。

「アップデートの詳細」をクリックすると、更新内容が表示されます。ここでは「今すぐインストールする」をクリックしてインストールを実行します。

インストールする際に、管理者権限で実行するための認証が求められますので、現在ログインしているユーザーのパスワードを入力して認証してください。

認証するとインストールが始まります。「詳細情報」をクリックすると、バックグラウンドで実行しているコマンドを確認することが出来ます。

インストールされるソフトウェアによっては、再起動が求められます。


設定②:導入済のアプリケーションの更新や導入

次に、導入されているアプリケーションの更新や導入を行います。

画面左のサイドバーに配置されている「Ubuntu Software」(オレンジのアイコン)をクリックします。

すると、「Ubuntu Software」が起動し、カタログ情報の更新が始まります。

カタログ情報の更新が終わると、以下の画面が表示されます。ここでは、アプリケーションを更新するので「アップデート」タグをクリックします。

ここで、お好みのアプリケーションを探して導入することも出来ます。

すると、更新のあるアプリケーションが表示されるので、個別にアップデートするか、すべてをアップデートするか選択してください。

アプリケーションのアップデートの際に、管理者権限で実行するための認証が求められますので、現在ログインしているユーザーのパスワードを入力して認証してください。

以下、アップデート中の画面です。


まとめ

以上がUbuntu 22.04のインストール手順となります。この手順は簡単で、初心者でも短時間でUbuntuをインストールすることができます。

新しいUbuntu 22.04の世界を、ぜひ体験してみてください!Linuxの世界へようこそ!


参考情報

Ubuntu Desktop公式サイト:Ubuntu PC operating system | Ubuntu

SnapStore:Install Linux apps using the Snap Store | Snapcraft

Ubuntuリリースサイクル:Ubuntu release cycle | Ubuntu

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